講座設計で作成される情報の中でカリキュラムは最も詳細で、検討に時間を要するものである。正しい検討手順を踏み、合理的な学習が可能なカリキュラムを作成しなければならない。研修開催の可否についての意思決定では、カリキュラムは重要な判断材料となる。
講座設計で作成される情報の中でカリキュラムは最も詳細で、検討に時間を要するものである。正しい検討手順を踏み、合理的な学習が可能なカリキュラムを作成しなければならない。研修開催の可否についての意思決定では、カリキュラムは重要な判断材料となる。
カリキュラムの構成を検討する際には、「導入」「本論」「まとめ」という三部構成の原則に従えば失敗が少なくなる。導入部で学習目的・目標と学習内容の全体像を明らかにした上で本論に入れば、受講者は全体の見通しを持って学習を進めることができ、より高い学習効果につながる。最後に丁寧なまとめを入れることで、受講者は研修全体の振り返りを行い、学習内容の復習と個々の知識を全体の中で位置づけることができ、知識・技能の定着がより確実になる。三部構成の原則は、講座全体の構成だけでなく、個々の学習項目(とくに大項目)にも適用すべきである。
学習項目は合理的に配置されなければならない。「合理的」とは、「前提となる基礎知識を説明した後で、より応用的な理解を求める」「知識学習を終えた後で、理解度確認のクイズを実施する」あるいは「演習で学習意欲を高めた後で、知識学習を行って体系的な理解を求める」といった順序をたどることである。配置計画にあたっては、まず大項目を配置し、その下位の中小項目の内容と順序を検討する。大項目は学習内容を表す表現とし、中小項目はその細目または研修技法などの説明とする。
どこまで詳細にカリキュラムを記述すべきか、という判断は、そのカリキュラムの利用目的により決まる。受講者向けの講座案内が目的であれば、大項目程度の情報があれば十分であろう。意思決定者に決裁を仰ぐようなケースでは大項目の中身が理解できる程度の情報が必要になる。研修開催の可否判断に必要な情報であり、カリキュラム以外の補足情報とともに判断材料となる。なお、レッスンプランの作成のための基礎情報として利用するのであれば、可能な限り細かく検討し、小分類以下のレベルまで落とし込むことが望ましい。
カリキュラムには時間配分の情報が必要である。時間配分が示されることで、どの学習項目をどの程度重視するのかが理解できる。重要性が高いはずの学習項目に割かれる時間が少ないような場合には、その理由を説明できなければならない。また、理解に時間を要する学習項目に割かれる時間が少ない場合には、学習目標の修正(加減)が必要になることもある。また、時間配分は研修の実施状況に応じて修正が必要になることもあるため、カリキュラムの作成にあたっては、目安として理解しておくべきである。とくに演習形式の内容については、講師の経験と技量にもよるが、確実な時間の想定が難しいことが多いため、注意が必要である。演習が多く含まれる研修では、時間調整が可能なカリキュラムを工夫する必要がある。
長時間にわたる研修では、カリキュラムに休憩時間を組み込んでおくことが望ましい。とくに午後の時間帯に講義中心の内容が続く場合には、若干多めの休憩時間を設定しておくことが必要である。休憩時間の長さの目安は10分程度であるが、大人数の講座の場合には喫煙場所への距離やトイレの混雑可能性を考慮して、若干長めの時間設定が必要であろう。また、休憩ではないが受講後アンケートを記入する時間も研修時間に含んで考えなければならないこともあるため、時間配分への影響に注意が必要である。
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