研修企画の成果を受けて教材開発が始まる。教材開発は「執筆」「編集」「校正」及び「印刷」の工程に細分化されるが、「執筆」では情報収集を、「編集」では広義のデザイン(見やすさ、使いやすさなど)を、「校正」では品質保証を、そして「印刷」では費用対効果を重視して作業を進める。
研修企画の成果を受けて教材開発が始まる。教材開発は「執筆」「編集」「校正」及び「印刷」の工程に細分化されるが、「執筆」では情報収集を、「編集」では広義のデザイン(見やすさ、使いやすさなど)を、「校正」では品質保証を、そして「印刷」では費用対効果を重視して作業を進める。
教材開発の前工程は研修企画(広義)である。研修企画は、どのような研修を実施するのかを検討する「研修企画(狭義)」、個々の講座の学習目標や講座の骨格を検討する「講座設計」、及び講座の進行プロセスに沿って講義内容の詳細を明らかにする「レッスンプラン作成」(厳密には、レッスンプラン作成は研修企画ではなく教材開発工程の一部と考えるべきである。)という手順を踏む。これらの企画段階が適切に完了していることが、よい教材を開発するための前提条件である。企画段階の失敗を教材開発で埋め合わせることは非常に困難、または不可能である。
教材作成は、レッスンプランに定義された講義を実現するために必要な情報収集(取材を含む)から始める。文献や既存資料などから知識を抽出、研修の開催意図に沿ってアウトラインを決定、そして具体的な文章や図表の作成に着手するという手順を踏む。執筆段階では、必要な情報を想定受講者が理解可能な形で文書化することに専念する。この段階で、最終的な表現形態(教材の体裁)は、必ずしも意識しなくてもよい。生産性を考えると、最初から最終形の様式(例:PPTの特定のテンプレート)で作業を進めることが好ましいが、仕上がりを意識しすぎるあまり、必要情報の欠落や重要性の低い情報を混入させることは避けなければならない。
編集作業は、執筆された情報(原始原稿)を意図する教材の最終形に仕上げる作業である。この段階では、最終仕上げに使うツール(例:PPT)上で作業を行う。文章による説明ではなく図表で表現することで理解の容易化が期待できる場合にはそれらを追加する。また、言葉を補わなければ分かりにくいと判断される場合には、適切な説明文を加える。さらに、レイアウトや色づかいについても改善の余地がないかどうか検討する。レジュメなどについては、レッスンプランと照合し、順序や表現が講義内容に対し適切であるかどうかを確認する。さらに、引用などの箇所がある場合には、出典の記載などについて、法的な要件をクリアしているかどうかを確認し、不備が発見された場合には必要な手続きをとる。このような過程を経て、最終形としての原稿に仕上げていく。
校正作業は、出来上がった最終原稿を再度見直し、印刷できる形に仕上げることである。記述の誤りや誤解を招きかねない曖昧な表現の特定と書き直し、誤字脱字等の不良個所の訂正、及び表現のゆらぎ(例:「又は」と「または」の混在など)について整理を行い、完成形としての原稿に仕上げる。それが完了したら、研修開催の責任者に提示し、内容に関する承認を受ける。
最後に、承認された原稿をもとに、必要部数の印刷を行う。社内でコピー等を行う場合、部数が多いと意外なほど作業に手間取ることがあるため、作業時間の見積もりを誤らないように注意しなければならない。また、会場に配送する手段をどのようにするかも考えておかなければならない。場合によっては印刷会社など専門家の手を借りる方が品質・コストともに満足のいく結果になることも多い。
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