AKF Logo

コンプライアンスインストラクター・ハンドブック
(教材開発編)

9.各種パーツの使い方

 教材作成には文章以外にも様々なパーツが活躍する。ここでは代表的なものを紹介し、使用上の留意点をまとめる。伝えようとする情報の表現に最適なパーツを選択し、文字情報だけの場合よりも理解が容易になるように心がけなければならない。

箇条書き

 箇条書きは、情報を列記する際に使用される。文章で書き連ねるよりも明快に重要事項を表現することができる。箇条書きには単純な箇条書きだけでなく、序列を示す番号を行頭文字に使うものがある。序列の中には、手順(作業手順)、時系列を追った状態変化、重要性の高いものから低いものの列挙などがある。また、箇条書きを階層構造にすることもできる。

<単純な箇条書きの例>
・ 単純な箇条書きは情報の整理に有効である。
・ 序列を著すためには、行頭文字に数字を用いることが有効である。
・ 箇条書きを階層構造で作成することもできる。

<序列を示す箇条書きの例 (この例は手順を示す箇条書き)>
1. 傷口を流水で丁寧に洗い、十分に水気をふき取る。
2. 膏薬を適量手に取り、注意深く傷口に塗布する。
3. 膏薬が乾いてきたら、清潔なガーゼと包帯を使用して傷口を覆う。

<階層構造を持った箇条書きの例>
● 総務課の業務
 ・ 全社の文書管理を統括する。
 ・ 固定資産の管理を行う。
● 経理課の業務
 ・ 会計と税務処理を行う。
 ・ 資金管理を行う。

 表は、情報に位置を与えることで、内容を分かりやすく表現することができる。表には、最も基本となる表の他に、比較のための表、順序を示すための表、構造を示す表などがある。

表の事例 表の事例

 図解の活用はPPTのスライドを作成する際には必須であろう。図解技法の分類方法は様々であるが、最も基本となるものは、①流れを表す図、②構造を表す図、及び③関連を表す図の3通りである。①の描画においては、時間の流れ、手続きの流れ、変化の経過などを表現する際に用いられる。ポイントは上から下へ、左から右へと流れを表現することである。②の描画においては、ツリー構造や集合のベン図で階層を表現することが基本である。③は①と②に入らない全ての描画対象を扱うことになるが、ポイントは「関連を持って存在する物事」とその「関連の性質」を分かりやすく表現することである。

表の事例

グラフ

 情報漏洩や特定犯罪の発生件数、あるいはその原因の統計調査結果など、コンプライアンス研修ではリスクに関わるデータを扱うことが多い。グラフの利用は事実を視覚的に理解することに役立つが、一方で表現方法を誤れば、錯覚を利用した情報操作の疑いもかけられかねない。とくに最近多用されるようになった3Dグラフの使用時に錯覚が生じやすいとされるため、極力2Dグラフを使用するように心がけたい。

表の事例

挿絵と写真

 挿絵は多くの場合、ソフトに標準添付されたクリップアートや市販の素材集を活用する。クリップアートの利用に際しては、そこで表現しようとする内容にふさわしい絵を選択するようにしなければならない。伝えようとする情報と異なるイメージの絵を用いた場合、読む者に内容を誤って解釈される恐れがある。

表の事例

 写真については、教材開発者自らが撮影したものでなく、新聞等の記事から報道写真を写し取って教材に挿入する際には、使用許諾を取得することを忘れてはならない。自ら撮影したものであっても、肖像権の侵害につながらないような配慮は必要である。

タイトル、キャプション、ステムセンテンス

 箇条書きや図表などの全てのパーツにはその内容を端的に表すタイトルをつけなければならない。タイトルをつけることにより、読む者はそこに表現されている情報の概要を知ることができる。同じくステムセンテンスをつけることが望ましい。ステムセンテンスとは本文の一部で、本文とパーツの間に配置され、そこに表示されている情報を読む者に簡単に説明する文章である(例:以下の表は、○○作業の手順を示したものである。)。これがあることにより、それまで文章を読んできた者の頭を、スムーズに表や図の理解に切り替えることができる。とくに箇条書きの場合には、そこに列挙された情報の相互関係(例:順序なのか、重要性の順位なのか)を理解することができる。さらに必要に応じてキャプションを入れることが望ましい。キャプションとは解説文のことである(通常、細字のゴシック体が用いられる)。下の図はその例である。

表の事例