管理職のための職場の不正予防と発生時対応
講座概要
コンプライアンス経営の重要課題である不正行為の予防と発生時対応について、コンパクトにまとめて学習できる講座です。
不正行為の防止のためには、会社としての内部統制の確立や倫理教育などのより幅広い取り組みが必要ですが、全社的な取り組みだけでは予防措置としては十分とはいえません。全社的な措置に加えて、業務特性等に応じた職場単位の草の根的な取り組みが欠かせません。本講座では不正の機会を発見して対策をとること、部下に対して悪しきお手本を見せないことはもとより、社内の制度改正や環境変化が不正の動機を作り出していないかどうかを観察し、発見されたリスクに対して適切なマネジメント上の打ち手を講じることができるようなスキル習得を目指します。
学習目標
- 不正行為の発生メカニズム(不正のトライアングル)を理解する。
- 不正行為の未然防止のために、管理職として実施可能な対策について理解する。
- 職場内で不正行為の兆候が見られたときに、管理職としてとるべき一連の行動について理解する。
本講座の特徴
不正行為の防止については、不正のトライアングルというモデルが有名ですが、本講座はその考え方をベースにしています。本講座では、職場内で不正行為の発生を防止するだけではなく、万一、不正が疑われるような場面に遭遇した際に、職場を預かる管理職がとるべき初動対応について学習します。しかしながら、発生現場の管理職が打てる方策には限界があります。本講座ではその限界を念頭に、会社としての不正対応に管理職としてどのような協力を行うべきかという視点で学習を進めます。
講座仕様
- 想定受講者 :管理職、コンプライアンスリーダー
- 時間の目安 :3~4時間程度
- 受講人数の目安:16名~25名
研修カリキュラム
標準的なカリキュラムの一例をご紹介します。
1.不正の発生メカニズム
・不正行為の実態
・不正のトライアングル
2.不正行為の予防策
<ワーク>職場の簡易診断
・診断結果の解説
・「不正の機会」の発見と対策
・「不正の機会」の事例研究
・「不正の動機」の発見と対策
・「不正の動機」の事例研究
・「正当化」の発見と対策
・「正当化」の事例研究
・不正行為に関するペナルティ
(刑事責任、民事責任、行政処分、社内の懲戒)
3.不正発生時の対応
<ケース討議>不正が疑われる場面
(個人検討、グループ討議、発表、講評、解説)
・不正の兆候(不正発見の着眼点)
・発生時の初動対応(本社部門との連携の重要性)
・拡大防止策の実施(本社部門の指導のもとで)
・問題の収束と再発防止策検討
4.不正に向き合う管理職の姿勢
・正面から向き合う覚悟(逃げない姿勢)
・己の力を過信しないこと(上司、本社、専門家との連携)
カスタマイズの視点
本講座は不正行為そのものに焦点をあて、「起こさないため」「起きたらどうする」という観点から設計されたコンパクトな構成となっています。短期間に対象者全員の受講を実現することで、早期に不正に対する意識を高めることができますが、抜本的に不正をなくしていくためには、より広い視点からのコンプライアンス教育や具体的なリスク対策のスキル習得が必要になります。その意味で、時間に余裕がある場合は「コンプライアンスリスクの発見と対策」や「リスクマネジメント・スキルアップ研修」などと組み合わせて1日研修として企画することもご検討委いただきたいと思います。
なお、講座タイトルは「管理職にための」となっており、職場マネジメントを意識した内容を多く含んでいますが、非管理職向けにカスタマイズすることも可能です。